キャンプ中にもし熊に遭遇してしまったら…と考えるだけでも恐ろしいですよね。
もちろん遭遇しないのが一番ですが、万が一の備えはできていますか?今回はキャンプ中に熊に遭遇してしまった時の対処法や予防策などをご紹介していきます。
目次
クマの種類や習性について
日本では2種類の熊がおり、熊によって習性が異なります。
ツキノワグマ

サイズはメスよりオスの方が大きいですが、体長110cm〜130cm、体重60kg〜100kgと言われております。
ツキノワグマは夜行性で、日光や人目を避けながら行動し、日の出や日没あたりに活動し始めます。基本的には行動範囲を変えませんが食べ物を求めて広範囲に移動する事もあります。
頭も非常に良く、雑食性ですが基本的に主食は植物性のものが多いようです。
ヒグマ

サイズはメスよりオスの方が大きいですが、ツキノワグマと比べるとかなり大きめです。
体長160cm〜230cm、体重150kg〜250kgと言われております。
ヒグマは昼夜関係なく行動し、人目を避けて行動します。一度味を覚えると執着心が非常に強く、北海道では夏になると毎年、農作物や家畜を荒らしに熊が降りてきたというニュースをかなり耳にします。
キャンプで実際にあった事例から学ぶ
日本で実際に、熊が人を襲ってしまった事件をご紹介いたします。
福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件
この事件は1970年(昭和45年)7月に死者3名を出した、日高山脈カムイエクウチカウシ山で起きた獣害事件。
福岡大学ワンゲル同好会の5人に実際に起きてしまったかなり有名な事件です。
福岡大学ワンゲル同好会の夏季合宿が北海道日高山脈で行われることになった。
テントを張り、拠点を構えたこの日の午後4時30分頃。なんとヒグマが現れ、外に置いてあった荷物を漁られましたが、ヒグマは立ち去り5人は無事でした。しかしその数時間後に再びヒグマがテントに現れ、テントに大穴を開けて立ち去りました。
危機感を覚えた5人は夜間も交代で見張りをするなどしていたそうです。
翌朝もヒグマがテントに現れ襲われますが、持参してきた食料に熊が夢中になっていたため、隙をみて救助を求め2名が下山しますが、下山途中で別の大学生グループと出会い、救助要請をお願いし再び山中へ戻ってしまったそうです。
その日の夕方、5人の前にヒグマがまたしても現れました。慌ててテントから飛び出し、しばらく様子を伺っていましたが、ヒグマがテントに居座って立ち去る気配がないため、5人は救助を求め、山を下ることを決意。
しかし、山を下っている途中でヒグマに襲われ、計3名が亡くなってしまったという事件です。
熊の習性として、一度自分のものと思ったものは繰り返し襲撃してくる可能性があります。
実際に一度、人間を食べた熊は人間を食料と認識してしまうので何度でも襲うようになると言われております。
実際に遭遇してしまった時の対処法

実際に遭遇してしまったら怖くて動けなくなってしまいそうですが…キャンプに行く時は必ず熊に対しての知識を頭に入れておきましょう。いざという時に役立つかもしれません。
ここでは実際に熊に遭遇してしまった時の対処法をパターン別に解説していきます。
クマと目が合っていない場合
熊がこちらには気付ていない時は、気付かれないようにそのまま音を立てずに静かに逃げてください。音を立てて走って逃げると熊は追ってくる習性を持っていますので、逃げる時は慎重に。
クマにバレてしまった場合
熊は基本的に人間を恐れているので、こちらを人間だと認識すればほとんど場合は立ち去ってくれるはずです。
熊はあまり目が良くないので、こちらを人間だと知らせるために「大きくゆっくりと腕を振り、冷静に声をかけながら」様子をみてください。間違っても大きな声は出さないでくださいね。逆に刺激してしまいますので。
クマが近づいてきた場合
一度人間を襲ったことがある熊だった場合、話は別です。こちらを人間だと分かった上で、つまり捕食するために近づいてくるケースもあります。
避難できる場所が近くにある場合はすぐに避難しましょう。逃げ場がなかった場合は、少しでも高い所にのぼり自分を大きくみせ、大きな音を立てながら威嚇し追い払いましょう。
熊撃退グッズを持参している場合は、すぐに取り出しいつでも使える状態にしてください。
熊と自分の間に木などの障害物を挟みながら、熊から目を離さずに静かに後退りしてください。動かないでいるとかえって危険です!
グループで行動している場合は離れず全員でまとまって行動してください。
間違った対処法
昔はよく熊と遭遇してしまったら「死んだフリ」をすると良いと言われておりました。しかしこれは、絶対にやってはいけません!逆効果です。
熊は腐肉も食べるので餌が落ちていると勘違いし、そのまま襲いかかってくる可能性があります。危険ですので絶対にやめましょう。この他にも、
背中を向けて走って逃げない
熊は走って逃げると追いかけてくる習性を持っていますので、走って逃げると必ず追いかけてきます。熊は足がとても速いですし、いくら全速力で逃げても無駄です。
大声で怒鳴る・悲鳴をあげる
これも熊をビックリさせ刺激してしまうNG行動です。一度冷静になって落ち着くことを第一に考えましょう。
クマと闘わない
稀に熊と闘い撃退した強者の話を聞きますが、力の差が圧倒的ですのでやめてください。
コグマには近づかない
小熊は小さくて可愛くてついつい餌をあげたくなるかもしれませんが、必ず近くに母熊がいるので小熊を見かけたら速やかに逃げましょう。
安心クマ除けグッズ
もし万が一、熊に遭遇してしまった時に役立つアイテムや遭遇しないためのアイテムをご紹介いたします。
クマ撃退スプレー
スプレーの主成分となっているのは唐辛子です。熊の目や鼻に直接ダメージを与え、撃退します。スプレーによっては噴射距離・噴射時間・水性・油性など様々な種類があります。
熊鈴
鈴は熊にこちらの居場所を教えるための大切なアイテムです。大きい鈴の音が鳴り、遠くまで響くものがいいでしょう。大きさや重さ、鈴型やベル、リュックにつけるタイプのものや、デザイン性のあるものまで沢山の種類があります。自分の好みのものを選んでくださいね。
しっかり対策をしてキャンプを楽しみましょう!
いかがでしたでしょうか?今回は「クマと遭遇してしまった時の対処法や予防アイテム」をご紹介いたしました。
もちろんキャンプに行く前は、熊の出没情報など事前に調べることが大切です。知識を入れておくことや対策をすることによって少しでも安心して楽しくキャンプをすることができるかと思います!
万が一、熊に遭遇してしまう前に、この記事を参考にしていただければ幸いです。